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９月の三連休最終日、天候をみながら満を持して出かけた木曽駒ガ岳。
早朝の道中は晴れていましたが、３０００ｍ級の山域に、この時期やはり快晴は望めませんでした。 しかし中央アルプスの高みに立ち、冷たい岩肌に触れ、薄い空気を吹って十二分に雰囲気を味わうことができました。 また、紅葉に彩られた千畳敷カ−ルのスケ−ルにも感動してまいりました。
午前４時４０分太田発、５時１０分に伊勢崎インタ−から入って佐久で降り、和田峠経由で、岡谷から駒ヶ根まで中央道を走りました。 菅の台バスセンタ−上の黒川平に着いたのが７時４５分。登山準備を終えたのが８時。心配された待ち時間はほとんどなく、専用バスもロ−プウェ−も並ぶこともなしにスム−ズに乗り越し、８時４０分には２６１２ｍの千畳敷駅に降り立つことができました。
しかし残念なことに全山霧の中、風は冷たく視界は１００ｍもないぐらい。しかしここまで来たという思いからか、まったくめげる気持ちはなく、登山開始。
まず千畳敷から極楽平を経て宝剣岳に向かいます。案内板には危険コ−スと表示されていました。観光客の多い場所ゆえの配慮と思われます。確かに尾根に出てからは、鎖の付いた岩場のル−トで恐怖感はありました。でも岩はしっかりとしており崩れるような心配もなく、けっこう楽しめるル−トでした。 途中で逆方向から上ってきた数人と交差するために待っていると、「そこを左に折れて山頂に。」という声が聞こえてきました。 「えっ、山頂。」と聞き返すと、「すぐ斜め上の大きな岩が山頂だ。」、とのことでした。
霧の中ゆえ高みもわからずにただ歩いていただけだったので、知らなければ単に通り過ぎてしまうところでした。
そこは人が一人やっと立てる、上部が５０Cm四方の平らな岩で、怖くて立てずに、腰掛けるのが精一杯の珍しい山頂でした。 宝剣を下り天狗山荘の脇で乗越浄土からの尾根道に合流します。ここからは一般ル−トで小さな子どもも目に付くようになりました。 霧は相変わらずです。途中の中岳を越えていきますが、山頂も見えずそのせいか疲れもあまり感じられませんでした。 本来はこのあたりから目指す木曽駒が姿を現す場所なのにと思いながら、鞍部を越えて最後の登りにかかっていきました。
登りつめた木曽駒ガ岳山頂は、いくつかのケルンに混じって鳥居や石に覆われた社が立ち並んでいました。信仰の山を思わせる重みのある雰囲気が漂っています。
ただ霧の中をただ歩いてきただけなので、山頂に着いても「やった−。」という感激はほとんどありませんでした。
社を覆う岩陰に風をよけながら昼食を採りました。相変わらず視界は効かず周りは何にも見えません。 そのうちに雲が切れて晴れるかと待ってはみましたが、寒さばかりが募ってくるので、しかたなく下山することにしました。
帰路は中岳山頂を踏まずに山腹の巻き道を採りました。やはり危険と表示にはありましたが、登山路は左右にロ−プが張られ、迷う心配は全くありませんでした。
斜面にごろごろとした大小の岩が存在し、その間を通っていくものでした。西から吹き付ける風が強く、少し手応えのある登山路でした。
再び尾根道に出て合流し、もと来た千畳敷までは一般ル−トを採りました。
こちらはかなりの人の数で、ここまで登ってくる軽装の観光客も多くなりました。 乗越浄土から下りにかかる頃ようやく霧が晴れて、下の千畳敷までがよく見渡せました。
やや色づいた草や木々の間に白い花崗岩の岩が点在し、そこに雄大なカ−ルが広がっています。
その中を曲がりくねりながら薄茶色の登山路が伸びています。
往路とは全く違う景色に、同じル−トを採らなくて良かったとうれしく思いました。そのはるか遠くに日の当たる駒ヶ根市が見渡せました。
ホテル千畳敷が霧に隠れたり、また姿を現したりして幻想的な景色たたずまいを見せていました。
山頂駅では往路と同様ほとんど待たずしてロ−プウェ−に乗ることができ、バスにもそのまま乗り込むことができました。 午後２時半には、駐車場を後に帰路についていました。
ただ途中上信道で渋滞にはまり一時間ほど余分にかかってしまい、太田着は７時を回ってしまいました。
もし晴れたらさぞかしすばらしい景色だったろうなあと想像しながらも、待ち時間はほとんどなくスム−ズに行ってこられたことに感謝したい気持ちです。
今度は季節を変えて行ってみたいと思いました。今度こそ周囲を見渡せますように。 コ−スタイム
千畳敷（８：４０〜８：５５）−−−極楽平（９：２５）−−−三の沢分岐（９：４０）−−−宝剣岳山頂（１０：２５）−−−天狗山荘（１０：４５）−−−中岳山頂（11：10）−−−鞍部（１１：２０）−−−駒ヶ岳山頂（１１：３５〜１２：２０）−−−鞍部（１２：３５）−−−宝剣山荘（１３：００）−−−剣ガ池（１３：３５）−−−千畳敷駅（１３：５０） |
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