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谷川岳  02.10

行ってまいりました、天下の谷川岳に!
 えっ、大げさだって?
 でもやはり、谷川岳はすばらしいですよ。
 天気が予想以上に早めに崩れ、当日の予報はくもりになりました。でも、マチガ沢出合いに着いた時は、わずかながら青空の中にちらっと山頂が望めました。
 昨年同様、マチガ沢下部を第一見晴まで登り、巌剛新道から西黒尾根に入りました。対岸の東尾根は、緑の中に黄色や赤が混じり合って、なかなかでした。巌剛新道も秋色に彩られて、きれいでした。一枚岩の氷河あたりにさしかかる頃から、ガスが上がってきて遠望は効かなくなり、その後はまったくガスの中という状態でした。
  それでも多くの登山客が山頂を賑わせていて、山頂標識は写真撮影のために、入れ替わり立ち替わりしていました。
  下山ル−トは天神尾根です。
 熊穴沢避難小屋あたりから下はガスもなく、登山路は黄色の葉っぱに覆われて、気持ちのよい歩みでした。
 昨年一時間半並んだゴンドラの混雑ですが、天気が悪いか、時間が早いか、それとも天神平が紅葉前なのか、まったく列はなく、待つこともなくすぐに乗ることができました。
 今回もル−トは、沢から樹林帯、そして森林限界を越えての岩場の尾根道。下山路はクマザサの中からなだらかな樹林帯と、変化に富んだ私の好きなコ−スでした。ゴンドラが混んでいたら歩くつもりでいましたが、歩いても一時間はかからないようです。
 今週末が絶好の紅葉狩り日だと思いますので、楽しみですね。行く人いますか?
 
 ル−ト及びタイム (登り4時間、下り1時間)
 
マチガ沢出合い 06:44
巌剛西黒分岐   09:20
トマの耳山頂     10:54
下山開始 ?  11:45
ゴンドラ駅      13:23
駐 車 場     13:45



西黒沢登はん  01.10.08

 
 谷川岳の地図を広げていると、「西黒沢」というル−トが目に入った。どんなものか調べようとしたが、なかなかその手がかりがつかめず、インタ−ネットでようやく一つの登坂記録を発見した。詳細は不明であったが、それほどむずかしい沢でもないような気がしたので、挑戦することにした。

 10月8日(月)早朝やや出遅れて、ロ−プウエィ−駅の駐車場を出発したのが、8時5分過ぎとだいぶ遅くなってしまった。天気予報は曇り、午後には崩れるという。まあ、半日持てばいいだろうと、覚悟してスタ−トした。
 ロ−プウェ−を頭上に仰ぎ見ながら傾斜の緩い広い道を進む。この辺りはまだまだ紅葉は先らしく、木々は緑に覆われている。

 右手の白鷺の滝に下りて、沢登りにかかる。水量は少な目だが、気を許すと水の中に落ちそうになる。しばらく行くと濡れた石が滑りはじめ、一度ツルッとくるともういけない。「また滑るのではないか」と不安が先に立ち、怖くて怖くて腰が引け、余計に不安定な状態を作ってしまう。もういけない状態。ついに相棒は落ちて足をぬらす。それもそのはず、きのう天神から山頂まで往復したばかりで、足が疲れているのだろう。ただ一度濡れるともう恐いものなし、気にせずじゃぶじゃぶ中に入れる。

 やがて遠くに稜線が顔を見せる。目標が見えてくると気持ちが前向きになる。
 さらに進むと、何カ所かかなりむずかしい岩壁に阻まれ、こわごわ、こわごわ進む。なんとか越えるが、かなりの神経と体力をすり減らしてしまい、精根尽き果て状態であった。ただ幸いなことに、この沢の岩場はスタンスもホ−ルドも比較的多く、それに大いに助けられた。しかし既に3時間をゆうに超え、そうとう時間を取られている。

 そうこうしているうちに、彩られた稜線に小さく歩く人の姿を認めた。
 本沢をそれて右の沢に入るとだいぶ先細りになり、水流はほとんど見えなくなった。あと1時間程度で稜線に出られるのかもしれない。

 所々むずかしい箇所に突き当たるが、何とかル−トファインディングしながら、稜線へと続く沢筋を上へ上へとよじ登る。それににつれて斜面は急になるが、紅葉はその赤や黄を一段と濃くし、時折顔をのぞかせる青空に輝いて美しい。しかし既に1時間は歩いているが稜線には届かない。

 やがてガレ場となり、歩くたびに石を落とすような危なっかしい場所に来て、落石に気をつけながら登りつめると、稜線を歩く人の姿が急に大きく見え、尾根道が見えたかと思うが早く、国境稜線に飛び出した。

 おお、なんだこれは、対岸は雲を巻く険しい東尾根、しかもその向こうに白毛門や朝日岳がおだやかな陽を浴びて鎮座している。左手は天にそびえて向かうオキ、トマの双耳峰、右手は北側半分を雲に覆われた西黒尾根。紅葉に彩られた縦走路がひときわきれいに伸びている。

 沢に取り組んで稜線に出られるかどうかの不安と、しかも対岸がまったく見えなかったせいもあってか、達成感と絶景とで、感激ひとしお。やった−。稜線着、12時48分。

 感激しているうちに寒さを感じて、ようやく稜線上の風の強さに気がついた。「う−っ、寒。」雲はどんどん流れ、切れてはまたわき上がる。その度に山容は刻々と変化し、その勇姿を一層際だたせている。山頂もやがて霧に巻かれるだろう。

 我々は疲れも手伝って、山頂登頂を断念し、西黒尾根下山を決める。13時27分尾根筋より下山開始。樹林帯では黄色や時折見せる色鮮やかな赤の葉に囲まれて、紅葉を満喫しながらの下山であった。

 旧道の登山口についたのが3時46分。いや−きつい下りだった。それにしてもまったく雨にたたられなかったことが、まことにラッキ−であった。神様ありがとうございました。「ア−メン。」帰りは「ラ−メン」を食べて帰った。
 


沢の下部 沢筋の紅葉 稜線にて 西黒尾根の帰路


西黒沢の小さな滝 山頂へ 樹林帯の紅葉


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